2012年9月20日は、舞台美術家でわたしの大切な仲間である
礒沼陽子ちゃんがその昔送ってくれたきりんの絵はがきを壁に飾った。
「きりんの絵はがき」といっても、いわゆる出来合いのポストカードではなく、
陽子ちゃんのきりん画入りの、年賀状だ。
その昔、「プリントゴッコ」で作成した年賀状のやりとりが一般的だった頃。
絵を描くプロの方の手作りの作品が送られてくるのが、普通だった頃。
素晴らしい舞台美術家である陽子ちゃんのもう一つの顔は、
「きりん画家」なのだ。
陽子ちゃんはきりんに対して、それはそれは熱くって、驚くくらい。
「アフリカに行ったわけでもないのに、お土産がきりんグッズ」
「いや、どこに行ってもお土産はきりんグッズ」
という伝説があったくらい。
いったいきりんグッズなんてどこで売ってるんだー!
わたし、きりんグッズなんて人生でそんなに目にしたこと、ないぞ。
やっぱり愛があると違うんだなー。
きりんの話をふると後悔する、という噂だったし、きりん語りはいつも
やんわりとかわしていたような気がする。
ちゃんと聞いておけばよかったなぁ。
とても残念だ。
陽子ちゃんのきりんはかなりリアルで、骨格や筋肉をしっかりと感じる、
「イラスト」っぽさが少しもない絵だけど、でもとっても可愛いのだ。
背中からしっぽへのラインがすんなり、いや少し「へなっ」って感じに
落ちていって、また長い足へと踏ん張っていくあの感じとか、ホント絶妙。
優しい表情のきりんはふんわりした色合いで、
大地に立って太陽をみつめるきりんは、アフリカの土の色で、描かれてる。
陽子ちゃんのきりん、しばらく飾っていよう。
薛 珠麗(せつ しゅれい Shurei Sit)