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薛 珠麗(せつ しゅれい)のブログ
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# 2010年4月
気がつけば1か月ぶりの更新!最近は twitter をやることが増えてます。
本名の「薛 珠麗」でやっておりますので、興味ある方は検索してください。

更新せずにいた2010年4月は:

■「伊勢→琴平→奈良」旅行後半
■誕生日
■宝塚出張(月組公演『スカーレット・ピンパーネル』)
■菊田一夫演劇賞
■パルコ劇場『スプーンフェイス・スタインバーグ』観劇

このブログに書ける内容としては以上のことがありました。

1か月経っちゃいましたが、旅行はせっかくなので何らかの形で記録して
おきたいなぁ。

3月は、長らくお世話になっている宝塚歌劇団の演出家小池修一郎さんと
『ジキル&ハイド』などで知られるミュージカル作曲家フランク・ワイルド
ホーンさんのコラボレートによるコンサート『ミツコ〜愛は国境を越えて』
『Frank & Friends』の公演の通訳としてひと月丸々忙しくしていたわけですが
(わたしは通訳は引退しているのですが、フランクにはありがたくも是非にもと
強く強く言っていただくので、喜んでやらせていただいております!)
4月はやはり同じ小池+ワイルドホーンコンビの日本上演作2本目であった
宝塚歌劇団『スカーレット・ピンパーネル』の再演で宝塚に出張でした。
2年前の初演は星組でしたが、今回の再演は月組!3月に東京宝塚劇場の
舞台上で記者会見をお手伝いさせていただいたり(ワタクシゴトキが銀橋を
歩いてしまっていいのでしょうか‥‥)本拠地宝塚でお稽古に立ち会わせて
いただいたりしていたし、『スカーレット・ピンパーネル』は特に大好きな
作品でもあり、とても楽しみにしていました。

初日から1週間後の観劇、しかも2人のショーヴラン役のうち2番目の
登板であった明日海りおさんの初日というタイミングでしたが、星組より
ぐっと若返ったカンパニーからは情熱と勢いと可能性を感じ、実に清々しい
観劇となりました。主演の霧矢大夢さんは器と包容力を感じるリーダーらしい
パーシーだし、マルグリット役の蒼乃夕妃さんは非常に大人の女性を感じさせて
艶っぽかったし、絢爛たる舞台はやっぱり楽しいしわくわくするし美しい!
終演後は舞台上にマイクが出され、組長さんからご紹介があり、3列めに
座っていたフランクにピンスポが当たるという特別カーテンコール。
フランクは立ち上がって、客席にも舞台にも丁寧なご挨拶をしていました。
終演後に場内から舞台に移動のため劇場通路を歩いた時には、満席のお客さま
から包み込むようなスタンディング・オヴェイション!凄い光景に立ち会えて
とても感動的でした。舞台上に移動後はフランクの方から生徒の皆さんへ
労いのご挨拶があり、囲み取材とフォトセッション。フランクは出演者
総勢120人ほど?からサイン入りのプログラムを貰い、感動していたと
思います!

わたしからの裏話としては。。3月のコンサートでフランク自身がピアノで
演奏した『スカーレット・ピンパーネル』の代表曲(っていうか、宝塚の
ために書き下ろした曲なのですが!)『ひとかけらの勇気』の場面を観て
いる時に、フランクは隣に座っていたわたしに目配せをよこしました。
ちらっと見ると、膝の上で指が動いてる!あの曲を聴くと自動的にピアノを
弾いてしまうようです(笑)2人でそっと忍び笑いをしたのがいい思い出です。

関西にはほんの25時間ほどの滞在でしたが(フランクは24時間!)
とても充実した時間をすごさせていただきました。

翌日は、その小池修一郎さんが大賞を受賞された菊田一夫演劇賞に出席
させていただきました。対象となった作品のうち『キャバレー』がわたしの
翻訳だったからです。華やかかつ厳粛な雰囲気の中、旧交を温めたり
普段は舞台でしか観たことのないようなスターがたくさん集まっていたり。。
小池さんのスピーチが本当にご本人のエネルギッシュさを伝えていて、
とても感動的でした。

続いて先日は、パルコ劇場さんが2007年から展開していらっしゃる
「ドラマリーディング【ディレクターズチョイス】」シリーズの第3弾、
『スプーンフェイス・スタインバーグ』を拝見しました。演出=長塚圭史さん、
出演=麻生久美子さん。
「リーディング」ですし、元はラジオドラマだった本ですから、言ってみれば
麻生さんがただ座って、両手に広げた台本を読み上げるだけ、立ち上がること
すらほとんどない__という非常に静的な舞台なわけですが、台本に細かく
指定してあるというマリア・カラスのアリアにのせて語りかけられる7歳の
自閉症の少女の生と死のモノローグは、物理的な動きのなさに反して非常に
ドラマティックな舞台でした。
少女は自閉症ということで、舞台で語られる少女の想いは全て、彼女の心の
中に起きていたことであって、決して外にそのままコミュニケーションしたもの
ではない。まるで鏡に向かって語りかけるようなその関係性が、リーディング
という形とぴったり合っていました。少女であると同時に、それを超越した
存在でもなければならない難役を、麻生さんの落ち着きと透明感を兼ね備えた
個性がぴったりに表現していました。
動きはなくとも、言葉やそのリズムが音楽と呼吸し合っていて、それが
心を波立たせるさまはとてもドラマティックです。心の淵を覗き込むような
繊細かつシャープな照明も鮮やかでした。
少女がユダヤ人であるということ、死が迫っているということ。。社会との
関係がごくごくシンプルである少女の中に刻まれた痛ましい戦争の記憶や
生への、死への、世界への想いは、やっぱりごくごくシンプルで、だからこそ
力強く純粋で、だからこそ胸を打ちます。

死に迫る物語とは、生の物語なのだなぁ。改めて実感しました。

この『スプーンフェイス・スタインバーグ』という作品は翻訳家の目で見ると
実に翻訳するのが楽しそうな作品で。。あ、それは「簡単」という意味では
ありません。翻訳は元々が「不可能な作業」なので、「簡単な翻訳」なんて
存在しません。この本には根源的でシンプルであるからこその難しさがあると
ひしひし思いましたが、その難しさも含めて‥‥楽しそう!!!たまたま隣の席が
翻訳をなさった常田景子さんだったのですが(常田さんとは数々の芝居を
一緒にやっていて仲良しなのです)はっきり「ジェラシーです」と宣言して
しまいました。あー訳したいなぁこのホン!

それをモチベーションに、仕事シゴト。



薛 珠麗(せつ しゅれい)
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