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薛 珠麗(せつ しゅれい)のブログ
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# ヴェネツィア追想
数年前、イタリアを一周した時に、偶然ヴェネツィアのカーニヴァルに遭遇した。
イタリア語で言うと、カルネヴァーレ。

この時はローマ→フィレンツェ→ヴェネツィア→ミラノと回ったのだが、
ホテルの手配をしようと旅行会社に第3希望まで出しても4都市とも全く予約が
取れず、すっかり往生していると、今度はその旅行予定期間中にある演劇賞の授賞式が
決まり(手掛けた作品が受賞対象になったのだ)悩んだ末に観念して旅行の日程を
1週間ずらしたら、何とホテルが4都市とも全てすんなりと第1候補で取れたのだった。
しかも、少し遅れて知ったのだが、旅行を後ろにずらしたことでヴェネツィアの
カーニヴァルの期間中にぶつかることとなったのだ。演劇の神さまが出逢わせて
くれた、としか言いようがない。

しかも、2ツ星か3ツ星がせいぜいの予算なのに、何と4つ星のホテルが取れた。
大運河沿い、かの最高級ホテル・ダニエリ‥‥の2軒となり、サンマルコ広場から
100メートルと離れていない、小さくて愛らしいホテル。
ヴェネツィア名物の水上バス=ヴァポレット(ヴェネツィアには自動車が1台も
走っていない、いや走れない)をサンマルコ広場で降りると、街中が華麗な扮装を
した人々で溢れ返り、浮かれ騒いでいた。

ひとり旅なので、誰にも遠慮も照れも必要ない!チェックインしつつコンシェルジュで
貸し衣装屋を紹介してもらい、荷物を部屋に置くのももどかしく、衣裳選びに飛んで
いった。

貸し衣裳屋はフランスのマダムで、カルネヴァーレの期間だけヴェネツィアの
ホテルのホールに出張して営業している、ということだった。
ホールの入り口に飾ってあるこのマネキンを見ただけでテンション沸騰!



対応してくれた女性は、『オペラ座の怪人』のクリスティーヌがしたような、
ロココの男装!素敵!!
写真に写っているのは、わたしと同じお店で衣裳を決めた年配カップル。



わたしは1860年代のクリノリン辺りのデザイン及びシルエットで、色は黒を
指定した。理由は簡単、広がったドレスが着たかったから。でもお店の女性が薦めて
くるのはモダンなデザインのものばかり。コスチュームものの舞台をいくつかやって
その辺には詳しいので、色々こだわって探したが、結局ずいぶんとモダンなデザインの
衣裳になってしまった。思えば、このお店のマダムはロココの衣裳が得意だった
のかもしれない。でもロココを着こなす自信もなかったし、結局自分に着こなせそうな
ドレスに落ち着いた。



ずいぶん冴えない表情をしているなぁ。

金のスパンコールの飾りがついた、黒タフタのドレス。ボレロと巾着バッグがお揃いで
ついている。ドレスに合わせて黒のフード付きマントと、ヴェネツィアのカルネヴァーレ
伝統の形の黒の帽子も借りた。ここまでがレンタルで、シンプルなゴールドの仮面は
買い取りだった。

この姿で、ヴェネツィアン・バロックの町並みの中、石畳を踏んで歩いたのである。
半径60センチくらいの幅をとりながら、衣擦れの音をさせて、運河にかかる橋を
渡る時はスカートを軽く摘んで裾を持ち上げる。

街はこんな景色。




当然、運河にはゴンドラ。



扮装姿で乗る人も当然、いた。それはやらなかったけど、やるべきだった。。



扮装のまま、サンマルコ広場にある伝統的なカフェ、カッフェ・クアドリへ。



後ろにかけてある絵画の中でかぶっているのが伝統的なヴェネツィアのカルネヴァーレの
帽子。わたしもかぶっているのと同じだ。

三銃士っぽい人がとにかくたくさん。



さしずめポルトスとアラミスか(笑)



このフランス人カップルが、一番シックで素敵だった。

ドレスが24時間レンタルだったので、翌日もドレスで繰り出した!

その前に、ドレス姿では観光も買い物もままならないので、普段着に
マントだけ羽織って、まずは観光と買い物へ。



死神のように?マントをなびかせて歩くなんて、まさに幼き頃からの憧れ!
それともわたしだけ?(笑)

気が済むまで歩き回ってから、ホテルに戻ってお色直しをして、改めて
出かけた。サンマルコ広場周辺は、とにかくこの世のものとは思えない人々で
埋め尽くされていて、世界中から来た観光客のカメラに収まっていた。
わたしもその中へ!





扮装に徹底した人々は顔を仮面で覆い、髪や肌も衣裳で隠し、言葉を発さず
ジェスチャーだけで意思表示をする。人種も性別もわからない、謎めいた人々。
中には衣裳の中にスピーカーを仕込み、オペラのアリアを流す人も。

わたしはその中で、かなりカジュアルな感じだったが、それでも、
たくさんのマスケリーナ(扮装をする人々はこう呼ばれていた)と
写真を申し込まれた。性別はわからないけど、とにかくお姫さまにするように
恭しく扱ってくれる。そうしていると、世界中から来た観光客からカメラを
向けられる。芝居じみたポーズなども、マスケリーナにエスコートされるままに
とってみたり。




わたしは顔が判別できる仮面だったので、たくさんの日本人観光客に声を
かけられた。皆さん「いいなぁ」と言いつつ、「貸し衣装屋で簡単に借りられ
ますよ」と教えても生返事。つまらないなぁ、日本人。

最後に、サンマルコ広場にあるヴェネツィア最古のカフェ、カッフェ・
フローリアンに出かけた。



24時間が過ぎれば解けてしまう、シンデレラの魔法のような時間だった。
同じ阿呆なら踊らにゃソンソン、である。


薛 珠麗(せつ しゅれい)
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